キャサリン妃のドレスを飾った モードに愛され続ける世界No.1のリバーレース

英国ロイヤルウェディグのキャサリン妃のドレスに用いられたソフィ・アレット社のレース。

SOPHIE HALLETTE(ソフィ・アレット)社は、フランスで130年の歴史を誇るリバーレースの世界No.1メーカーです。マリリン・モンローやジャックリーン・ケネディに愛され、イギリス王室キャサリン妃のウェディングドレスに使われたことでも知られるなど、既にその地位は確立されています。
現在は、シルクやコットンチュール、エンブロイダリーレースまで幅広く手掛ける総合レースメーカーとして、オートクチュールやプレタポルテ、高級ランジェリー市場に欠くことのできない存在となっています。

1962年 LOOK誌のカバーを飾ったソフィ・アレット社のレースのマンティラを被ったジャッキー・ケネディ。1964年 後にソフィ・アレット社のグループとなる、リチャーズ マレスコットのレースドレスを纏う女優エリザベス・テーラー。

ソフィ・アレット社の歩みは、いわば繊細で高品質なヨーロッパレースの歴史そのものです。その物語は、1887年にレース職人のユージン・アレットが6台のリバース機と共に、フランス北部のコードリーでメゾン アレットを設立したことにはじまりました。リバーレースの二大産地であるコードリーとカレーのレースは、ロシアやイギリスなどの宮廷女性たちのドレスを彩り、その評判は世界的なものとなっていきます。

リチャーズ マレスコットのレースを使った、クリスチャン・ディオールとジャンヌ・ランバンのオートクチュールドレス。

なかでもソフィ・アレット社は、1950~60年代にかけて、クリスチャン・ディオールやジャンヌ・ランバン、マルセル・ロシャスといったオートクチュールデザイナーたちと新しいレースやチュールを意欲的に開発。ファッショナブルでモードな感覚を持ったレースは、後にビッグメゾンとなる彼らのクリエイションにもインスピレーションを与え続けてきました。

膨大なレースのサンプルをスクラップした貴重なアーカイブをもとに、デザイナーがスケッチを描きデザインを起こす。

加えて、1990年~2000年代には、レース装飾や着色テクニックに長けた Caudrésienne(コードリーシェシエンヌ社)、フランスレースの名門Riechers Marescot(リチャーズ マレスコット社)、ランジェリーレースのスペシャリストEuroDentelle(ユーロ ダンテル社)などが続々とグループに入ります。彼らから受け継がれる膨大なパターンや歴史的にも貴重な織機、熟練の職人技がメゾンのさらなる財産となり、豊かで類まれな表現へと繋がっています。

環境に配慮した生産とデザインを段階的に導入したサステナブルなレースのシリーズ「グリーンライン」。

またソフィ・アレット社のレースは、糸の開発から企画、仕上げ、染色まで自社で一貫して行っているのも特徴です。2019年からはサステナビリティに向けた重要なステップとして“GREEN LINE”シリーズの発売やグリーン電力を推進。GOTS(Global Organic Textile Standard)やGRS(Global Response Standard)の認証取得に向けた取り組みも新たにはじまっています。

リバーレースができるまで

デザインから製図、織り、染色、仕上げに至るまで、さまざまな工程を経て完成するレースづくりの背景には、メゾンの揺るぎないフィロソフィーがあります