“透かし模様”を特徴とする生地の総称であるレースには、実にさまざまな種類が存在します。古くは装飾用として用いられていたレースは、18世紀の産業革命により機械レースが普及したことで、ファッションやインテリアにも広がりを見せます。機械レースといっても、例えば200年以上前の機械で作られるリバーレースは、手工業的な工程と熟練の職人技を必要とします。さらにエンブロイダリーレースは、繊細な刺繍や装飾によりデザイン性は無限に広がります。それぞれに魅力を持つ、レースの特徴とバリエーションをご紹介します。

Levers Lace

リバーレース

リバーレースは、18世紀にイギリスのJohn Leaversが独自の織機を開発し、レースの機械製造を可能にしたことから、この名が付きました。現在も当時の織機を用いて作られるレースは、数万の極細糸を撚り上げて表現する繊細で精密な柄が特徴です。

受け継がれた伝統と熟練の職人の手によって生み出される芸術性の高さから、レースの中でも最高級のグレードに位置づけられ、オートクチュールやウェディングドレス、高級ランジェリーなどに用いられます。

また、リバーレースのデザインは、クルーニー、シャンデリーなど産地によって使用しているモチーフや美しさの表現方法が異なります。

Russell Lace

ラッセルレース

ラッセル編み機を用いたレースの総称で、フラットな仕上がりが特徴です。元々は高価なリバーレースを手に取りやすい価格で作るために生まれた技術ですが、近年の技術革新により、繊細で高品質なレースを生産することが可能になりました。リバーレースと比べて、約半量の糸で高速で編むことができるため、生産効率や量産化に長けています。ドレスやカットソー、キャミソール、下着などの装飾に用いられます。

Torchon Lace

トーションレース

ボビンに巻かれた糸を交差させながら、ジャカード装置によって柄を作り上げていくレースです。太めの糸で編まれることが多く、目が粗いため、耐久性があります。紐を作るための機械を改良したもので生産されるため、生地の幅が細いのも特徴です。インテリアやファッションアイテムの縁を装飾したり、縫い合わせてドレスの生地として使用されたりもします。

Embroidery Lace

エンブロイダリーレース

生地に刺繍をして作る立体的な柄が特徴のレースの総称で、綿レース、チュールレース、ケミカルレースなどがあります。

チュールレースは、六角形の網目が連なるネットを基布に、刺繍をあしらったレースです。張り感やザラザラとした手触りで覚えている方も多いでしょう。独自の立体感やボリュームから、華やかなドレスやスカート、舞台衣装などに適しています。

ケミカルレースは、水溶性の基布に刺繍を施した後に、基布を溶かして刺繍だけを残したレースです。重厚さと繊細さを併せ持つため、ドレスやフォーマルウェア、ネックレスやイヤリングなどのアクセサリーパーツにも用いられます。かつては基布を薬品で溶かしていたことからこの名が付けられましたが、現在は技術の進歩で、溶剤が水に変化したためケミカルな要素はありません。